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感覚統合遊び!低反発のスクイーズ。もっちり感とリアルな形状で食への興味を広げる。

   

昨年の夏ごろから子どもたちの間で流行りだしたスクイーズ。

私のムスメもいくつか持っていますが、その独特のやわらかいもちもち感から、ずーっと触っています。
集中力UPといわれているハンドスピナーよりも長く手に持っています。

そんなムスメの様子を見て、これって感覚統合遊びの一つなのかもしれないと思いました。

 

スクイーズとは何か?

スクイーズ(squeeze)とは、英語で「押しつぶす」の意味で、もちもちとした触感の玩具。
調べてみましたが、昨年、あれほど流行したのに、おもちゃとしての意味合いのスクイーズはまだWikipediaにも掲載されていないのが残念なところです。(2018年2月現在)

主に食べ物の形をしたスクイーズが多いのですが、もちもちパンダなどのキャラクターや動物のスクイーズも販売されています。

見た目がかわいいというのもありますが、手の触感に訴えるもちもちさが子どもたちを魅了しているようです。
どんなに手でつぶしても、ちゃんと元の形に戻る不思議さも楽しいです。
市販のスクイーズは、食べ物の形状や色合いがとてもよく再現されているクオリティの高さ!

また、人気のYoutuberがこぞってスクイーズを紹介したことも流行を加速させた一因でもあります。
Youtubeで、「スクイーズ+Youtuberの名前」で検索すると、数多くの動画がヒットします。

 

 

手作りもできるので、手作りスクイーズの動画もたくさん投稿されています。
私も折り紙のおり方など、「作り方」動画をいろいろ見ますが、文字や絵で説明したものより、動画で実際に作っている様子を見た方がわかりやすいので、モノ作りの参考に動画はオススメです。

 

感覚統合としてのクイーズ

発達障がいのある子の多くは、ある特定の感覚刺激に対し、鈍感だったり、過敏だったりします。
療育の過程でよく行われるのが感覚統合療法ですが、ムスメも療育園でスライムを作ったり、フィンガーペイントをやったりしました。

スライムにしろ、フィンガーペイントにしろ、洋服につくと落ちなかったりするので、手軽な感覚刺激としてスクイーズを持たせるのはどうかなぁと思いました。

スクイーズは主に小学生の間で流行していたように思いますが、感覚が特に発達する幼児期に、手に持たせたり、一緒に遊んであげたりするとよいと思います。

また、自閉症スペクトラム障がいの子などは、食事の幅がとても狭い子がいて、白い食べ物を好む子が多くいます。
療育園で、子どもたちがお昼ごはんを食べている様子を見ましたが、私のムスメも含め、白いごはんから食べる子が多く、中には白いごはんだけ食べておしまい、という子もいました。

ムスメや療育園で一緒だった子の成長の過程を見ていくと、白い食べ物だけの時期を過ぎると、いろいろなきっかけで、他の食べ物を食べるようになっているようです。
仲の良い子が食べているのを真似して食べられるようになったり、苦手なものを小さく切って、ほんの少しずつ食べているうちに食べられるようになったり。

 

ムスメが幼児期の頃は、スクイーズブームは到来していなかったので、その存在も知りませんでしたが、もし知っていたら、食べ物を受け入れるきっかけの一つになればと、食べ物のスクイーズをいろいろ入手していたと思います。

感覚統合にも役立って、食べ物への興味も引き出す。
そんな意味合いで、スクイーズは療育にとてもよいものだと思います。

 

異食をするお子さんや、何でも口に入れてしまうお子さんの場合は、大人が一緒に「ぎゅーっとなるよ」などの声かけをしたり、手でにぎり潰すお手本を見せながら、遊び方を教えてあげるとよいです。

何でも口に入れてしまう時期のお子さんは、きっとスクイーズが歯形ですぐにボロボロになってしまうので、持っているときは常に大人が一緒にいるべきです。

 

食べ物のスクイーズ、どんなのがよい?

パンのスクイーズが大人気のようですが、療育で使う場合は、野菜など、色のついたものをあえて選ぶとよいと思います。
もちろん、パンが苦手という子の場合は、パンを選んでもよいと思います。

 

下の画像↓は枝豆のスクイーズですが、枝豆はおやつにもなるし、手軽に食べられてよい食べ物ですね。
直径約8.5cmあるので、触りごたえもあると思います。

【5個目でおまけ付】 マザーガーデン スクイーズ やわらか 野菜 まめ 枝豆
マザーガーデン スクイーズ 野菜 枝豆

 

下の画像↓はサツマイモですが、食物繊維がたっぷりなので、食べられるようになるとうれしい食べ物です。
「♪焼き芋 焼き芋 おなかが グー♪」でお馴染み、「やきいもグーチーパー」の歌を歌いながらぎゅっぎゅと手でにぎるのもよいですね。

マザーガーデン スクイーズ 野菜 サツマイモ

下の画像↓はブロッコリーですが、ビタミン、ミネラルなど栄養が豊富なお野菜です。
サイズも約10cmくらいなので、手で持ったときの量感がよさそうですね。

マザーガーデン スクイーズ 野菜 ブロッコリー 534-63203
マザーガーデン スクイーズ 野菜 ブロッコリー

 

まあ、そんなわけで、スクイーズは無限に種類があるのです。
お子さんの苦手な食べ物をあえて選んで、手の触感を楽しんでもらえるとよいですね。

 

スクイーズでごっこ遊び

自閉症は想像力の障がいと言われていて、ごっこ遊びが苦手な子が多いです。

ごっこ遊びは再現遊びとは違い、実際に見たものを正確に再現することが得意な自閉症の子が、電車の車掌さんの真似で「出発進行!」と言うのは再現遊びです。

 

おままごとはごっこ遊びの最たるものですが、食事を作る真似をしたり、お皿に盛りつけて誰かの前に出したり、再現遊びの要素もありつつ、相手の要求しだいで臨機応変に対応していかなければなりません。

カレーなど、メインの食事が出された後に、「デザートもお願いします」と要求すれば、相手もデザートらしき食べ物を選んで出さなければならないのです。
親子など、2人以上でやるおままごとには、「要求」がつきものなので、相手の気持ちを推し量り、要求に応えるという、人と人のやりとりが学べます。

 

このおままごとに、スクイーズを用いてはどうかという提案をここでしたいと思うのです。

ムスメが幼児だった頃は、木製やプラスチック製の食べ物でおままごとをやっていましたが、やわらかく手触りの良いスクイーズは、おままごとがさらに楽しめるような気がするのです。

おままごとには、食べ物の出し手と受け手がいると思いますが、受け手は食事が出るのを待っていたりするので、けっこうヒマだったりします。
そんなときに、スクイーズを手でムニュムニュしていてもよいし、食べる真似をするときに、「もぐもぐ」と言いながら手でにぎり潰して一見なくなったようにする、という展開もできそうです。

 

 

スクイーズ、本当にリアルで見た目も楽しくていいですね。
療育を考えなかったとして、個人的には肉まんのスクイーズが好きです。
おいしそうだから!

マザーガーデン スクイーズ 中華まん 肉まん 534-63308
マザーガーデン スクイーズ やわらか点心 中華まん 肉まん

 

 

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