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映画「パンとバスと2度目のハツコイ」を見ました。ロケ地は大室山?あの孤独は・・・

   

このサイトで何度もお話していることですが、私のムスメは幼稚園の頃から乃木坂46というグループが大好きです。
本日、元乃木坂46の深川麻衣さんが主演の映画「パンとバスと2度目のハツコイ」がイオンシネマで公開となり、さっそくムスメを連れて見てきました。

 

小学生が見ても大丈夫な作品

私のムスメは自閉症スペクトラム障がいという診断を受けている子なのですが、好きな物というか好み全般が、一般的な子どもの趣味からかけ離れていたりします。

乳幼児期から、アンパンマンなどのアニメ作品には一切の興味を持たず、2歳頃からは、テレビやポスターに出てくるきれいなお姉さんを好きになり、ひょんなきっかけから、乃木坂46が大好きになりました。(そのきっかけの話は長くなるのでまたにしますね)

自閉症の子の中には、物事の抽象化が苦手な子がいるのですが、今思うと、アニメのキャラクターのような抽象的な存在を理解できなくて、人間そのものであるきれいなお姉さんに興味を持ったのかもしれません。
(アニメのキャラクターは、ヒトや動物をかわいく摸したものが多いので、そのかわいさや面白さを理解できなかったのかも)

 

まあ、そんなわけで、私のムスメは乃木坂46の古参のファンなのですが、今日行った映画館の客席に、子どもはムスメただ一人でした。
ここ数年の乃木坂は大きな波に乗っている感じなので、小学生や幼児のファンも全国に増えつつあるようですが、全盛期のAKBほど子どものファンを獲得してはいないように思います。
ムスメが幼稚園の頃は、握手会へ行っても明らかにムスメが最年少、ということが多かったです。

この「パンとバスと2度目のハツコイ」は恋愛映画なので、小学生では退屈かなぁとか、ラブシーンがあったらさすがに子どもには見せられないしなぁ・・・といった心配もして、事前にGoogle様でたくさん情報を調べたりしました。

原作のある映画ではないので、詳しい内容の情報を事前に得ることはできませんでしたが、「恋愛こじらせ女子」とのことなので、男女がそんなにベタベタくっつくようなところは出てこないだろうという予想のもとに、ムスメを連れていったわけです。

 

卵黄

予想通り、ラブシーンもないし、なかなかくっつくことのない男女のお話なので、子どもに見せられないような映画ではなかったです。

子どもが見て退屈かどうかという点では、賛否が分かれそうですが、私のムスメは面白かったと言っていました。
少し前に流行った漫画やアニメ「12歳。」が好きな小学生の子などには、ひょっとしたら良さがわからない作品かもしれません。
そんなに単純な恋愛のお話でもないので。

 

正直すぎる人たちのお話

映画館を出てから、「結局(二人が)付き合わないからよかったよ」と小学生のムスメが言ったのが小学生らしくなくて私は笑ってしまいました。

ムスメは誰かに質問をされて、すぐに返事ができないことがあるのですが、そういうときはたいてい、自分が思うことに対して的確な言葉が見つからなくて頭の中がグルグルとしているときです。

人はたいてい、会話をするときに、だいたいこの言葉でいいかな、という言葉の選択の作業を頭で瞬時にし、口に出しているのでしょうが、私のムスメの場合、「だいたいコレ」という許容範囲が狭いのか、言葉の選択肢に少しでも疑問があったり、納得できない点があると、黙ってしまったりします。

「パンとバスと2度目のハツコイ」(略してパンバス)の主人公ふみ(深川麻衣)も、「恋愛こじらせ女子」というよりは、ただただ正直に生きる女の子のお話のように思いました。
そんな正直すぎるところが、私のムスメがぴったりの言葉を考えながら、言葉を詰まらせてばかりいる様子と重なって見えました。

映画を見た後、ムスメがすっきりした顔で微笑んでいたのですが、大人の恋愛観の話でも、ムスメにとって共感できるところがあったのかもしれません。

静岡
ふみという女性は、美大に通っていたにもかかわらず、パン屋に就職します。
なぜ、ふみは絵を描くのをやめたのか?という問いを投げかけているような場面がいくつか出てきますが、何か自分の中で腑に落ちにないと、一切描けなくなるというのは、彼女らしいのではないかと、映画を見た後に思いました。

主人公の妹は、美大の予備校生で、特に絵を描くことに楽しさを感じていないにも関わらず、絵を描き続けています。
このあたりに、姉妹のコントラストというか、人間のコントラストが表現されているのでしょうね。

また、ふみの初恋の相手、たもつ(三代目J Soul Brothers 山下健二郎)も別れた奥さんのことをいつまでも想い続けている「こじらせ男子?」というかあきらめの悪いところがありますが、正直すぎる人とも言えます。

奥さんとの復縁の見込みは全くないわけで、主人公のふみに少しでも魅力を感じているのだから、新しい恋愛に踏み出せばよいのに、それができないでいる。

たまには、こういう正直すぎる人間像を見るのもよいのではないでしょうか。

 

ロケ地は大室山かな?

たもつがふみに「見せたいところがある」、と二人で行った場所はなかなかの絶景でしたが、多分、静岡県伊東市の大室山というところだと思います。

大室山

二人でリフトに乗る場面は、恋人同士ならムネキュンの場面なのかもしれませんが、二人には心に抱えているものがあって、新しい恋愛どころではない雰囲気があってそんな甘いものではない様子でした。

大室山はリフトで登山するところだそうですが、一度は家族で行ってみたいなぁと思いました。
心地よい風を受けながらリフトに乗り、壮大な眺めを見るのってよさそうですよね。

 

あの本は「孤独の発明」

洗濯機が壊れてふみが行ったコインランドリーに、「孤独」で始まるタイトルの本がたくさんある棚があるのですが、その中からふみが一冊抜き取り、読んでいた本はポール・オースター (Paul Auster)の「孤独の発明 」という作品です。

孤独の発明 (新潮文庫)
孤独の発明 (新潮文庫)

未読の本だったので、レビューなどを見て興味がそそられ、さっそく購入しました。
亡くなった父を回顧するような作品とのことなので、なんとなく、そういった喪失感のようなものを感じる村上春樹さんの著作に通ずるような作品なのかなぁと勝手に思っています。

読み終わったらそのうち感想など書きたいですね。

 

それにしても、女優・深川麻衣さんは、読書のシーンが似合いますね。
何か考えを巡らせているようだけど、言葉には出さないような、そんな表情がステキな女優さんです。

「まいまい毎日マイペース」とムスメがたまに独り言のように言っています。
まいみん(深川麻衣さんのファンのこと)の皆さんも、きっと彼女の主演作を楽しみにしていたことと思います。

公開日なのに空席があちこちにあり、私の住む街にまいみんさんは少ないようですが、きっと、これから、全国のまいみんさんたちが映画館へ足を運んで下さることでしょう。

 

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