ふくしのおもちゃ箱

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人気の「トミカ スーパーオート トミカビル」 の説明書からごっこ遊びのストーリーを組み立てる

   

私が放課後等デイサービスに勤務していた頃、男の子に特に人気だったのが「トミカ スーパーオート トミカビル」です。

このおもちゃを出すと、何時間でも遊んでいようとするので、調理など、他にイベントがある日は見えないところにしまっておいたりもしました。

トミカ スーパーオート トミカビル (初代カラーVer.)

トミカ スーパーオート トミカビル (初代カラーVer.)

 

大人が関わってストーリーを作る!

 

自閉症の男の子に車や電車が好きな子が多いのはよく知られた話ですが、私が出会った男の子の中にも、トミカが大好きな子がたくさんいました。

 

車の名前もたくさん知っていて、トミカのTシャツや靴下を見に付けている子もいたし、「はたらくくるま」の歌を歌いながらトミカで遊ぶのが好きな子もいました。

 

それぞれに、頭の中にいろんなストーリーが繰り広げながら、トミカで遊んでいるのでしょうね。

 

自閉症児の療育で大切なのは、人とやりとりをする力を育てることなので、トミカのおもちゃを通じて、大人とやりとりをすることで、「自分一人だけの世界」から、まわりの人も含まれる世界に発展させられるとよいと思います。

 

取扱説明書を見てパーツの名称が言えるようにする!

 

スーパーオート トミカビル」を使ってやりとりを育てる療育をする場合、パーツの名称を取扱説明書を見て言えるようにすると、ストーリーを展開させるのにスムーズです。

 

名称を覚える

 

この取説のセット内容を見るだけでも、車の通路には直線とUターンできるところとカーブがあって、ヘリポートや屋上展望台もあることがわかります。

 

取説を見るまでは、単なる屋根だと思っていたのが展望台だったとは!

 

人を乗せるとよい

 

この展望台に、人形が乗っている写真がパッケージや取説にあったりするのですが(バージョンによります)、トミカの人形って売っているんだろうか?と調べてみました。

 

過去には、トミカタウン用の人形が別売りで販売されていたようですが、現在は、ハイパーシリーズの人形しか販売されておらず、「ハイパーレスキュー 隊員セットB」や「ハイパーブルーポリス隊員&武器セット」などの正義感溢れる人形しか販売されていないようです。(乗り物とセットになっている人形は売っています。)

 

トミカ ハイパーレスキュー 隊員セットB
トミカ ハイパーレスキュー 隊員セットB

 

トミカ ハイパーブルーポリス HBP隊員&HBP武器セットB
トミカ ハイパーブルーポリス HBP隊員&HBP武器セットB

 

ストーリーを考える上で、「人間」の存在は大切だと思うのですが、展望台に乗せるのは、ハイパーシリーズの人形よりも「普通の人」の人形の方が「スーパーオート トミカビル」には合いそうな気がします。

 

会社は違うけど、ここはレゴのミニフィグ様に登場していただいたほうがよいかもしれませんね。

 

レゴのセットを持っている場合は、何かしらのミニフィグが入っていると思いますが、ない方はミニフィグの別売り品は豊富に手に入るので、見た目で気に入った人形を買ってみるのもよいかもしれません。

 

以下はレゴ社の正規ミニフィグではありませんが、たくさん人形が入っていてお得な互換品が販売されているので紹介します。

 

ミニフィギュア ミニフィグガールズ 36体+13小道具+四輪バギーセット レゴ対応 互換
ミニフィギュア ミニフィグガールズ 36体+13小道具+四輪バギーセット レゴ対応 互換

 

上の画像のセットは、女子も男子も入っていて、警察官や水兵さんなど、豊富なバリエーションが面白く、価格も1,792円とお安いので、いいなと思いました。

 

まあ、そんなわけで、展望台にはぜひ、人形を乗せてあげて下さい。

 

展望台に人形を乗せた際は、「上から見る景色、いいね~」などの声かけもよいと思います。

 

「スーパーオート トミカビル」の取扱説明書は以下にリンクを貼っておきます。

 

スーパーオート トミカビル 説明書 pdfファイル

 

構造を理解して、ストーリーを考える

 

「スーパーオート」というぐらいなので、自動で車が流れていく仕組みなのですが、ただそれを眺めているだけでは療育にはなりません。

ここで、自動の流れに組み込まれていない構造の部分に注目したいのですが、「スーパーオート トミカビル」の本体下左部分にはガソリンスタンドが存在します。

 

給油

 

このガソリンスタンドで給油する場合は、手動でボタンを押して給油ノズルを動かすことになるので、「緑色の車のガソリンがないようなので、給油してください!」などの声かけをして、子どもとのやりとりに発展させることができます。

 

また、本体下右部分には「シューター」と呼ばれる、ボタンを押すと扉から2台の車が急発車するところがあり、そこにはパトカーや救急車などの緊急車両を入れておくと、「急発車」の意味合いが生きてきてよいと思います。

 

緊急車両
 

このとき、「事件が起きたので、緊急車両発車して下さい!」とか「交通事故でケガ人がいるのでパトカーと救急車、発車して下さい」などの声かけをしてみると、やりとりになってよいと思います。

 

緊急車両といえば、ドクターヘリもそれに近いものがありますが、私は「島の子どもが病気です!」という声かけをよくしてヘリポートのヘリを出動するようにしていました。
(ドクターヘリって離島に行くようなイメージがありません?)

 

そうそう、トミカの車をたくさん持っているけど、ヘリを持っていないという子がけっこういたのですが、「スーパーオート トミカビル」にはせっかくヘリポートがあるので、ヘリは車とたいして値段は変わらないので買ったほうがよいと思います。

トミカ No.97 ドクターヘリ ブリスター
トミカ No.97 ドクターヘリ ブリスター

 

 

自閉症児は一方的な遊び方をするとよく言われていますが、本人の興味に沿って、遊びを展開させてあげると、遊びに「人と関わる要素」が出てきてコミュニケーションの練習になったりします。

 

「スーパーオート トミカビル」を放課後デイで遊ぶ場合、人気がありすぎて喧嘩が勃発することもあるので、大人が付き添って遊ぶのは必須かもしれません。

 

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