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放課後等デイサービスは事故が急増中!辞めたい職員も多い?

      2018/07/29

このサイトの「管理人紹介」にもある通り、私は2ヶ所の放課後等デイサービスの職員をしていたことがあります。

現在は高齢者施設でレクリエーションの担当職員をしておりますが、私が放課後等デイサービスを辞めた理由などをこの記事に書きたいと思います。

 

放課後デイは事故が急増中!

事故が急増中

私の娘もこのサービスの利用者でもありますが、最近、「<放課後デイ>事故急増 16年度、67自治体で965件」という内容の記事をYahoo!ニュースで読みました。
ニュースによると、打撲や骨折といったけがが最も多いそうで、1010件もありました。
次いで、子どもが行方不明となったのが126件だそうです。
誤食や誤飲が38件で職員による虐待が37件とのこと。

 

放課後等デイサービスは利益率のよい業態のようで、現在あちこちに急増中です。
それに伴い、専門の職員がたくさん必要になるところですが、全国の放デイを充実させるだけの職員数はなかなか確保できないという現状もあります。

事故が増えるのは当然といえば当然のように思います。

 

職員が子どもから目を離している?

私が過去に勤務していた放課後デイについていえば、職員が子供から目を離して事故につながるというようなずさんな体制はなかったです。

私は2ヶ所の放課後デイの経験があるわけですが、わかりやすくするために1ヶ所めの放デイを「スパルタ」、2ヶ所めの放デイを「専門家」と呼ぶことにします。

 

まずは「スパルタ」ですが、児童発達管理責任者の女性がヒステリー気質でとにかく怒りっぽいので、その下で働く職員や利用者の子どもたちは、怒られないようにするためにいつもびくびくしています。

職員は仕事をさぼったりはしませんし、子どもから目を離して子どもが危険な目に遭うようなことがあったら、怒られるだけでなく、後々まで人格を否定され続けるので、子どもから目を離すことはほとんどありません。

 

次に「専門家」ですが、こちらの児童発達管理責任者は大学院で児童発達についての学位を取得したまさに専門家で、子どもたちをむやみに叱ったり、職員に怒りをぶつけるようなこともしません。

そして「専門家」は、子ども一人につき一人の職員を配置する体制なので、職員が目を離すということはありませんでした。
自分が担当した子については責任があるので、何か問題が起きたら自分の責任という意識が常に働いているような感じでした。

 

私が経験した2ヶ所の放課後デイは、職員が子供から目を離して事故につながるということはありませんでしたが、管理者以外、職員は専門的な知識のない者ばかりだったので、たまたま運がよかっただけかもしれません。

採用に明確な基準はなく、研修もなく、子どもたちそれぞれの個別支援計画を見る時間もありませんでしたから、何も知らない状態でいきなり子どもたちと関わるわけです。
事故や問題が起きるかどうかは運しだいという感じがします。

目を離すかどうかということも大切ですが、一番は組織の体制を整えることのような気がします。

 

介助の度合いが高い肢体不自由児の場合

放課後等デイサービスにおける肢体不自由児

私が勤務した通称「専門家」は、他の競合事業所と差別化を図るために、積極的に肢体不自由のお子さんを受け入れていました。

室内はバリアフリーで、トイレも車いすが入れて介助がしやすい広さとなっており、設備的には肢体に障がいのあるお子さんに適しているようでした。

管理者と数人の職員は、肢体不自由者や高齢者の介助経験のある方なので、それらの職員に任せれば適切な介助は対応できますが、問題は、肢体不自由者の介助を未経験者に研修も説明もなく、いきなり任せることにありました。

私も、肢体不自由のお子さんの介助を任されたことがありましたが、全く知識がなかったので自己流にやるほかありません。
着替えや排せつも、モタモタしながらやるようで、担当したお子さんにいつも申し訳ないと思っていいました。

 

私は「これではだめだ」と思って、現在、研修や規則が厳しい今の職場(某社会福祉法人の高齢者施設)にいるわけですが、今の職場で得た知識に照らし合わせると、それまでに経験した放課後等デイサービスがいかにゆるすぎる体制であったかを感じます。

車いすからベッド、車いすから便器への移乗など、肢体不自由者には様々な移乗のケースが考えられますが、正しい方法で行わなければ、被介助者の身体に負担をかけたり、骨折などのケガにつながることにもなりかねません。

麻痺のあるお子さんなど、嚥下機能が低下している場合もあり、食事面にも工夫が必要で、誤嚥があって吐き出せないときにはすぐに救急車が呼ぶような体制が必要です。

職員は、様々な危険な状況を想定して、対応できるようにしておかなければならないのです。

 

自閉症スペクトラム障がいへの知識

放課後デイ 自閉症

放課後等デイサービスを利用している子の多くはアスペルガーも含む自閉症スペクトラム障がいのお子さんですが、障がいの程度に差はあれど、適切な対応をしないと2次障がいが出たり、行動障がいがひどくなったりもします。

私が最初に勤務した放課後デイである通称「スパルタ」は、児童発達管理責任者の女性がヒステリックすぎて、子どもたちを怒鳴り散らしたり、一人の子を個室で長時間お説教したりと、恐怖政治さながらの状況でした。

発達障がいの子は視覚優位であるケースが多いわけですが、感情的な言葉で長々とまくしたてても恐怖しか与えず、それが後々フラッシュバックとして本人を苦しめることもあるかもしれません。

もちろん、悪い行動を正すことも大切ですが、それにはまず、よい行動を褒めてあげる必要があると思います。
どうしても直らない行動は、他の実害のないような代替行動に変えていくようにすることもできると思います(詳しくは応用行動分析学の本などに書かれています)。

精神的に追い詰める行為も虐待という言葉に含めるなら、私が勤務した「スパルタ」は、まさに虐待が行われていたといっても過言ではないと思います。

「スパルタ」には、家庭でネグレクトに近い状況で過ごしている子や、両親が共働きで忙しすぎる家庭の子、一人親家庭の子など、「とにかく長時間預かって」というスタンスのご家庭の子が多くいました。
放課後デイでの時間を自分の子どもが楽しく過ごしているかということを気にする心の余裕のある保護者がいないため、虐待まがいのことが発覚することはなかなかないように思いました。
他所のデイより、臨機応変に対応するサービスを売りにしているので、「預かってくれるだけでありがたい」と思っているように見受けられました。

実際、家庭でネグレクトされている子などは、そこを利用しなければ、施設に行くしかないように思います。
お風呂も食事も提供している放課後デイでしたので、そこへ行っている限り、ある程度の清潔が保たれ、生活が成り立っていました。

とにかく素人ばかり

私の娘も放課後等デイサービスを利用していますが、専門的な知識のある職員にお会いしたことがほとんどないように思います。

児童発達管理責任者という資格も、高齢者施設と障がい者施設を併設しているような業態の企業の経験で資格要件を満たしていて、実際は高齢者相手がほとんどだったという人もいるようです。

先にも書きましたが、放課後等デイサービスは利益率の高い業種のようなので、次々に新しい事業所がオープンするわけですが、職員数がそれに追いつくわけもなく、資格も経験もない人ばかりが採用されていく現状で、事故や問題が起きないわけがないのです。

娘が利用しているところは、知っているお友達がいる所で、比較的心おだやかに過ごせるという理由だけで週に2回程度利用していますが、職員には何の期待もしていません。
実際、知的障がいの重い子で、数時間、行方不明になってしまったこともあり、安全面で万全とも言えないのですが、娘は知的にそこまで重度ではないので、職員が目を離しても行方不明にはならないし、何か問題があれば親に伝えられるので通わせています。

今まで、3つの事業所と契約したことがありますが、どれも何かしらの問題で利用を続けることはできませんでした。
今利用しているところも、お友達とうまくいかなくなったり、本人がつらい思いをするようになったら行かなくなると思います。

そしてこの素人ばかりのところで5年勤務した人が、またどこかで児童発達管理責任者となったりするので、負の連鎖のようになっていくのでしょうね。

 

なんだか悲しい状況ですねぇ。

 

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