もうすぐ施行!障害者差別解消法 ~合理的配慮とおもちゃ~
2018/02/13
障害者差別解消法が28年4月から始まります。
政府はこの法律についてのパブリックコメント(意見公募)を募り、先月締め切りがありました。
私も意見を提出しようかな、と思っていたのですが、上手く文書にまとまらなかったので、いろいろ考えているうちに締め切りの日となってしまいました。
障害者差別解消法については、私なりに思っていることがいろいろあるのですが、このブログは「おもちゃ」がテーマなので、福祉事業所で、おもちゃに関わる「合理的配慮」について述べたいと思います。
おもちゃが置かれている福祉事業所
おもちゃが置かれている福祉事業所で考えられるところは以下のところです。
・児童発達支援
・日中一次支援
・放課後等デイサービス
知的障害者の方など、成人でもおもちゃで遊ぶ方はいると思いますが、地域活動支援センターなどで見かけたことがありません。
おもちゃにこだわりのある方への配慮として持ち込みを認めている施設もあるかもしれませんが、成人の施設については詳しくないので、ご存じの方がいたら教えて下さい(^-^)
合理的配慮とは
福祉の世界でよく使用される言葉に、「合理的配慮」という言葉があります。
「合理的配慮」とは何かというと・・・
JDF(日本障害フォーラム)がだしているわかりやすい解説本では、
「障害者一人一人の必要を考えて、その状況に応じた変更や調整などを、お金や労力などの負担がかかりすぎない範囲で行うことが、合理的配慮です」
(「みんなちがってみんな一緒!障害者権利条約」日本障害フォーラム発行)
「合理的配慮」という言葉で一番大切な要素が、「一人一人」という、「すべて一律に考えない」ということだと私は思っています。
福祉の世界では、一人一人の違いに合わせた支援が必要だと思います。
それぞれの障がいに応じたおもちゃの設置を
福祉事業所を利用している子どもはそれぞれ違った性格で、障がいの種類も様々です。
私が実際に見たことのある事業所で、「合理的配慮に欠けるな」と思ったのは、子どもが見える場所におもちゃを置かずに、子どもに「出して」や「ちょうだい」を促す目的を理由として、子どもから要求がない場合はおもちゃを出してあげない、という方針に対してでした。
言葉が話せない子は、マカトン(言語やコミュニケーションに問題のある子が使うサイン)などの方法もありますが、緘黙の症状のある子など、「出して」の発信ができない子もいます。
「要求を促すためにこちらからは与えない」という方針を福祉事業所が徹底してしまうと、緘黙の子や性格のおとなしい子はその事業所へ行くこと自体を嫌がるようになり、結局は事業所とのつながりを絶つことになります。
もちろん、「あともう少しでサインが出そうだな」という感触のある子に、少しだけ要求を促すのは効果的かもしれませんが、すべての子に一律、要求が出るまでおもちゃを与えないという方針は偏ったやり方だと思います。
扉に鍵をかけておもちゃを手にとれなくしたり、子どもの背丈では取れない高い所に置いたりすることもあるかもしれませんが、要求を出せない子に対して、その子が好きそうなおもちゃを目の前に出してあげるとか、おもちゃの写真をカードにして選ばせてあげるとか、いろいろ方法はあると思います。
私はこれまで、「なんでも一律」という考え方の人に、何度か出会ったことがあります。
そういう考え方の人は、「福祉にはそもそも向いていない」、とここに厳しめに書いておきます。
ですが、本人の前では言えませんよねぇ(汗)。
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