ふくしのおもちゃ箱

おもちゃと療育、障がい児や高齢者福祉、ときどきウクレレ

*

習い事をやめる時、理由など考えなくてもよい?自閉症児の習い事(1)

      2018/10/17

私のムスメは8歳の頃から音楽教室でウクレレの個人レッスンを受けていましたが、「教室はやめたいけどウクレレは続けたい」というムスメの意思のもとに、新しい教室を探し、今までの教室をやめることにしました。

 

私のムスメの習い事はウクレレのみで、他に塾なども通っておらず、習い事をやめるのは初めてのことでした。

大手楽器メーカーの音楽教室ではなく、個人経営のところということもあり、やめることを言いだすのは気まずい感じはありました。

3年半通った教室ですが、「教室をやめる」という単純なことなのに、家族の中で、大きな心の動きがありました。

 

ムスメが音楽教室(ウクレレ)をやめたくなった理由~発表会が辛すぎる~

 

習い事をやめる上で、相手にやめる理由をどう伝えるかを考えてしまうと思います。

我が家も家族みんなで「どう伝えようか?」といろいろ話し合い、考えたのですが、ムスメがやめたくなった本当の理由が、「先生に嫌われている気がするし、先生が恐い」ということなので、相手から好かれてないのであれば、やめる理由も聞かれないのではないかと思いました。

ここで、3年半、通った教室をムスメがやめるようになった経緯を以下に書きます。

 

ウクレレの個人レッスンを受け始めた8歳当初は、先生は優しかったのです。
譜面を自分で書きうつす作業で、ムスメはよく間違えて消しゴムで消していることも多かったのですが、怒らずに待っていて下さいました。

しかし、10歳の発表会前からだんだん口調が強くなり、ムスメは萎縮するするように。

 

10歳のときに参加した発表会は、アコースティックギターの子とセッションするように先生に言われました。
ムスメは相手の足を引っ張る怖さに「無理」と言うので私が電話でその旨を伝えたところ、「絶対にできるから」と押し切られてしまいました。

この教室の発表会は、先生の知り合いのプロのバンドとも合わせなければならないのですが、電子ピアノにベースやドラムまで入り、はっきり申しますと、小さなウクレレの音はほとんど聞こえなくなるし、弾き語りのボーカルの声もかなり大声を出さないと聞こえなくなります。

仕方ないので、私の仕事のない日は市営の防音設備のある部屋を借りて、ムスメが大声で弾き語りができるように練習に励みました。

なんとかその年の発表会は乗り越えたのですが、私も仕事があるし、学年が上に上がるとともに、ムスメも学校の宿題や勉強で忙しかったりもするので、翌年の発表会は参加しないことにしました。

発表会はプロのバンドの人たちもいるし、会場も結婚式などのイベントをとりおこなうような場所なので、とてもお金がかかります。
付き添いの親もそれぞれチケットを買い、さらに先生とバンドの方たちのライブ料金も別料金なので、全部を合わせるとゆうに3万円を超えてしまいます。

先生のライブを見るのは任意ですが、発表会の当日に実施するのに、それを見ないというのは先生に申し訳ない気持ちになるので、発表会に参加した人のほとんどが観覧する流れとなります。

 

ムスメが楽しんでいるのなら、豪華な発表会にかかる費用も全然惜しくはないのですが、セッションが必須の発表会は、ムスメには負担でした。
親としては、発表会で、ムスメのウクレレの音色が聴ければうれしいわけですが、アンプにつないでいても、バンドの音は容赦なくウクレレの音を消してしまいます。(特にドラムはね・・・)

まあ、そんなわけで、ウクレレの子はこの教室の発表会では不利になるのです。

ウクレレを習っている年配の方は、バンドと合わせることなく発表してらっしゃいましたが、子どもたちはできるだけ他の楽器と組ませてあげたいというのが先生の思いのようです。

その当時は、子どもでウクレレを習っていたのがムスメしかいなかったので、どうしても、ギター優位の考え方になってしまったのだと思います。

 

ムスメが音楽教室(ウクレレ)をやめたくなった理由~先生が怖い~

 

楽しく習いたい

ムスメは自閉症スペクトラム障がいと診断されているのですが、就学時点では、多動や他害など、直接的に周囲にご迷惑をおかけするような症状はありませんでした。

グループレッスンだと、能力的な差で周りに迷惑をかけてしまうこともあるかもしれませんが、そこは個別レッスンなので、その子のペースに合わせてレッスンしていただけることを期待していました。

優しく指導していただければ、なんとかやっていけるかと思っていました。

それが、先生はだんだんと口調が強い、怖い先生になってしまったのです。
先生は誰にでも口調が強いわけではないようなので、どうしてムスメだけに?と思っていました。

 

他の教室で楽器を習っている子のママに相談したことがありますが、姉弟でピアノを習っていて、下の弟にだけ口調が厳しい先生がいるのだそうですが、下の子は大人しくてちょっとどんくさいのだそうです。
上の子は人懐こくてハキハキと話すタイプなのだそう。

 

「なるほど」と思いました。
私のムスメは大人しいし、どんくさく見えるところもあります。

大人しくてどんくさい人を見ると、イライラする人が世の中には一定数いるのですね。

 

大人しい子は怒ったりすると萎縮するだけなので、いいことなんて何にもないのですが、習い事の先生は人格者とは限らないので、そこはもう、こちらが離れるしかないわけです。

 

ムスメが教室で習い始めた当初、その音楽教室はオープンして1年ほど経った頃でしたので、今ほど生徒数も多くなく、生徒として大切に接していただいていたのだと思いますが、ネットのリスティング広告を出すようになってからは、レッスン枠の「空き待ち」も発生して、生徒の確保は十分な様子でした。

 

ムスメの通っていた音楽教室は、ギター、ベース、ウクレレ、ボーカル、ピアノを、経営者である一人の先生が教えています。
(他の先生(ピアノ)が何人か在籍していた期間もありましたが、いつのまにか他の先生はいなくなっていました。)

 

要するに、経営者である先生は、生徒を選ぶことができるので、大人しい子が嫌いだったら、空き待ちしている他の子を入れればよいということです。

 

雇われている先生だったら、子どもへの態度がよくなかったりすると、親からオーナーにクレームを入れられる可能性がありますが、教えているのが経営者だったら、「空き待ち」を確保していれば、自分の好きな生徒を選べるわけですね。

 

ムスメは毎日ウクレレの練習を家でしておりましたし、反抗的な態度もとったこともないし、ただただ、大人しいだけなのです。

大人しいけれど、挨拶も言えるし、返事もできるし、慣れている人とは会話もできます。

ムスメは学校で指揮者に立候補したり、大きな声で発表できるようになったり、学校生活では少しずつ、できることを増やしているので、私も学校の先生たちも、ムスメの少しずつの成長を見守っています。

成長のペースは人それぞれなので、「世の中にはいろんな人がいる」ということを理解してくれる人を探すしかないですね。

 

 

この記事は、長くなりそうなので、また続きを書きます。

 

関連記事:習い事をやめる時、理由など考えなくてもよい?自閉症児の習い事(2)

 - ウクレレ