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いじめで母子心中した仙台市の事件の原因や背景を考える

      2019/04/16

少し前のニュースで、いじめが原因で母子心中した仙台市の事件について報じられていましたが、子を持つ親として、いろいろ思うことがあります。

この事件について、メディアの反応は同情的です。

学校の対応や加害者の子を断罪する意見もたくさん見かけました。

とても気になる事件なので、事件の詳細を知りたくなり、ネットニュースや様々な報道番組をチェックしたので、まずは論点をまとめてみたいと思います。

 

 

加害者の子はどこの学校にもいそうな子

 

事件

 

被害者は仙台市立寺岡小学校の2年生の女の子で、今まで一緒に学校に通っていた同級生の2人の女子に、無視されるようになり、置いて行かれるようになりました(登校班?)。

 

ものを取ってくるよう命令されたり、朝顔を育てるための支柱で叩かれそうになったり、睨まれたりもしたそうです。

 

具体的ないじめの状況は、報道されている中では上記のことだけなのですが、「仲間はずれにする」「無視をする」といった事だけであれば、私のムスメの通う学校にも存在しているので、どこにでもあるようなことだと思います。

 

ご両親が、学校や市の教育委員会に相談しても、いじめがなくなることはなかったとのことで、確かに、学校側にも教育委員会にも落ち度はあると思うのですが、だからといって、同じような対応をされて、命を絶つ方ばかりではないと思うのです。

 

私のムスメは5年生になりますが、いじめの問題ではありませんが、実際に、学校の先生や教育委員会の方と話をしたこともあります。

 

先生や、学校カウンセラー、教育委員会など、話をしてみて、物事が思ったように動かなかったとしたら、別のアプローチをしてみたり、学校が対応できそうな具体的なことは何かを考えてみたり、さらには、転校について考えてみてもよいと思うのです。

 

加害者の親と話し合ってはいけない

 

今回の事件では、母親同士の話し合いが設けられた際に、加害者の子の母親に「今さら謝れとでも?」といったことを言われたと報道されています。

 

私の経験というか、親として悩んで考えた結論としては、そもそも母親同士の話し合いなんてしてはならないと思うのです。

 

何か子ども同士のトラブルがあったとして、担任の先生を通じて加害者の親に連絡がいったとき、相手側の親から自主的に謝罪の電話なりがあればよいのですが、謝罪がなかったときも、被害者側からアプローチしてよいことなんて一つもありません。

 

被害を受けて悔しい気持ちはわかりますが、トラブルをこじらせると、後後になって自分の子に思いもよらない被害が及んだりもします。

 

加害者と話し合って解決するのではなく、「加害者といかに関わらないようにするか」といった方向に考え、学校側にも対応策を提案したほうがよいと思います。

 

加害児童やその親に謝ってもらい、仲良くしてもらおうなんて考えるのは、妥当な策とは言えません。

 

学校というところはいろんな子がいて、意地の悪い子も一定数いると思います。

 

そしてこちらがびっくりするくらい、心根の腐った親というのも存在しています。

 

人の性格がすぐに変わるようなことはないし、意地悪な子とご近所になってしまったのは運が悪いだけなので、話し合いで何とかしようなんて思わずに、同じクラスだったら席や班をできるだけ離してもらうとか、次年度から同じクラスにしないように配慮してもらうといったことを学校側にお願いしてみるとよかったのではないかと思うのです。

 

実際に、ムスメの通う学校では、いじめの対応策として次年度からクラスを分けてもらった人がいました。

 

子どもが辛い時の親のサポート

 

被害者の子は、一人で学校に行くのがつらかったようですが、そんなときは親が一緒に学校へ行ってあげればよいのだと思います。

 

私のムスメは3年生のときまで特別支援級に在籍していたので、支援級の子は親が送迎するという決まりがあり、毎日大変でしたが、送り迎えをしていました。

 

ムスメが1年生のときに、6年生の女の子に休み時間にいじめられていたので、先生に許可をとって、1週間ほど、休み時間に学校へ出向き、ムスメと一緒に過ごしたことがあります。

 

ムスメと休み時間に一緒に過ごす中で、6年生の子が実際にムスメによくない態度をとったところも見ることができたし、休み時間にムスメが他の子と関われるような流れを作ってあげることもできました。

 

子どもがいじめられて辛そうなときは、親も悲観的になってしまいそうですが、できるだけ学校やいじめのことに意識が向かないように、明るく接してあげたほうがよいと思います。

 

実際に加害者がいると、相手が憎らしくなる気持ちは本当によくわかるのですが、子どもには、「学校は、意地悪な子も、そうでない子もいるところだから」と、深刻に考えさせないようにしたほうがよいと思います。

 

どうにもこうにも解決しない場合は

 

先生に配慮してもらい、加害者にできるだけ関わらせないようにしても、大人の目を盗んでいじめを続けている場合や、いじめられた子に神経症的な症状(登校時の腹痛や頭痛、チックなど)が深刻な場合は転校を考えたほうがよいときもあります。

 

文部科学省のサイトに、「いじめや、精神の状態による不登校などで、転校することによって改善が望める場合に、学区外の学校に通学する」ことが認められている旨が記載されています。

 

少し遠くなっても、ご自宅から通えそうな別の学校を見学してみるのもよいかと思います。

 

実際に、私も学区外の小学校の見学に行ったことがありますが、見学したい学校に直接電話して、「引っ越しを考えている地域なので見学させてほしい」といった無難な嘘をついてお願いすると、快く見学を許可して下さいました。

 

できれば見学にはお子さんも一緒に連れて行って、「自分が通っている学校だけが世界ではない」ということを教えてあげるとよいと思います。

 

仙台市の、たった一つの小学校に居場所がないからといって命を絶ってしまったことをとても残念に思うので、命を絶つほど追い詰められていつのであれば、「もう少し視野を広げてみて」と、同じようなことで悩んでいるご家族に伝えられたらと思いました。

 

「自分たちが被害者なのに、何で転校なんていう面倒なことをしなければならないの?」と理不尽さを感じる方もいらっしゃるでしょう。

 

憎しみよりも、わが子の笑顔が大切なので、いじめで深刻な状況にある場合は、転校という選択肢があることを思い出してほしいのです。

 

 

関連記事:いじめによる不登校。保護者会に出席してみた。

 

 

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