ハートネットTV「障害学生のキャンパスライフ」 を見て。中野淳アナが奥様との出会いを語る神回
2019/06/10
2018年9月19日のEテレ・ハートネットTV「困った!どうする?障害学生のキャンパスライフ」を見ました。
この10年の間で、大学など(専門学校も含んでいる?)で学んでいる障害のある学生が5.8倍も増加したのだそうです。
その一方で、障害学生の学校生活を支える支援のための人員が不足していたり、支援体制に不備があったりもするそうです。
番組の中で、私が特に印象的だったことがあるので、ここに記します。
自分の障がいのこと、聞かれるとうれしい
大学4年生の五十嵐百花さんは、発達障がいのグレーゾーンの方ですが、番組に集まった他の障害学生の方々に聞きたいことがあったのだそうです。
まわりの人に、「今、困っているの?」「何が出来ないの?」「何が大変なの?」「どういう障がいなの?」と人に聞かれることは全く構わないと思っていて、むしろ、「喜んで答えます」といった感じなのだそうです。
「皆さんは、(そういったことを)聞かれても構わないのかどうかを知りたかった」と投げかけていました。
私は、五十嵐さんのこの投げかけに、思わず「(障がいについて)聞いてくれたらありがたい!」と思ってしまいました。
ムスメが幼稚園に入園するにあたって、幼稚園側から、ムスメが自閉症スペクトラム障がいであることを他の保護者にも説明したほうがよいという旨のことを言われたので、保護者が集まる懇親会のときに話したら、その後、ほとんどの保護者の方は、私たち親子に腫れ物に触るような感じになってしまったのですが、お一人だけ、ムスメの障がいについて質問して下さった方がいて、とても有り難い気持ちになったことがあるからです。
幼稚園のときに、ムスメの障がいについて関心をもって下さったのがお一人しかいなかったので、その後小学校に入学してからは、「(障がいについて)話してもしょうがない」という気持ちになって、隠しているわけでもないのですが、「意味がないこと」と思うようになってしまいました。
きっと、番組の中でこのような質問を投げかけた五十嵐さんも、「周囲の無関心な反応を経験したことがあるのかもしれない」と私は勝手に想像してしまいました。
番組では、肢体不自由の大学3年生、慎允翼(しんゆに)さんがこの質問に答えて下さり、
「聞かれたら、うれしいよね。そこにいる人として認められているじゃない。無視はキツイ。悪いことされなくても、目に留めてもらえないのはキツイ。せっかく同じ空間にいるんだから。いろんなこと聞いてほしい。俺もいろんなことを聞くだろうし。」
と話していました。
彼の「キツイ」という言葉に、私も強く共感しました。
そしてこの後、中野淳(あつし)アナウンサーの言葉に、番組が思わぬ展開に。
中野淳アナウンサーの奥さんとのなれそめ
中野淳アナはまず、大学入学のときに車いすの人と出会ったときの印象を話しました。
「高校まで、障がいのある人と付き合ったことのない人たちは、やっぱり最初、どう接していいかわからないという人はいっぱいると思うんですよ。僕自身も、大学に入学したときに、車いすの人を見た時に、『うっ』てこう、声をかけるのをためらってしまった時がありました。」
そう話した後で、
「でも、結局、今の妻なんですけど」
と不意打ちの展開が。
「大学で初めて障がいのある人と出会って、そんな結末(結婚)になったので・・・。こんな話をするのはヘンですけど・・・。」
と照れながら中野アナが話すと、スタジオが一瞬どよめく感じに。
「そのラブロマンスについて、今度1杯飲みながら教えて下さい。」
と肢体不自由の慎允翼さんが言うと、「そうですね、また別の機会に」と、話を切り上げて、番組はエンディングへ。
この不意を突かれたままでの終わりって、なんだかすごく続きが気になります。
多分、私のように「え??そうなの?」となって、番組のあとに中野淳アナについてネットで検索した人はけっこういるのではないでしょうか。
以下に私が調べた、中野淳アナと奥さんのことを書きます。
中野淳アナの奥さんはコラムニストの伊是名夏子さん
中野淳アナは早稲田大学の出身で、在学中にカンボジアの孤児を支援するNGOサークルで後に奥さんとなる伊是名(いぜな)夏子さんに出会います。
伊是名夏子さんは骨形成不全症という生まれつきの障がいがあり、体の骨が成長しにくく、また、些細なことで骨折もしやすく、成人になっても身長100センチ、体重20キロほどの小さな体型の方です。
伊是名さんはその小さな体では想像もできないようなバイタリティーの持ち主で、早稲田大学進学を機にひとり暮らしをし、ボランティアにも参加します。
さらに、早稲田在学中に米国のサクラメント大学に1年間の交換留学、デンマークに3カ月留学しているのです。
車いす生活でありながら一人暮らしをし、海外留学まで実現するなんて、チャレンジする意欲の高さは脱帽ものです。
そして、中野アナに何度フラレようともあきらめず、就活で悩んでいた中野アナの相談に乗っているうちに彼の心をつかみ、付き合うことに。
中野アナがNHKに入社できたのが伊是名さんの励ましのおかげかはわかりませんが、学生生活を共に過ごしたお二人が、言葉を伝える仕事に従事しているというのはステキなことだと思います。
中野アナのご両親の反対を押し切って二人は結婚し、パートナーとなるわけですが、自分の両親に祝福されないというのは中野アナも辛かったことでしょう。
伊是名さんは自然妊娠し、出産を経験することになりますが、伊是名さんのもろい体が出産に耐えられるかということや、障がいが子どもへの遺伝することを気にしつつも、旦那さんの中野アナとの思いは一つ。
障がいがあっても、それなりに育てていけばいい。
中野アナも伊是名さんも、とても愛情深いお二人なのでしょうね。
ネットで伊是名さんのことを調べると、批判的な意見も多々見られますが、それらに対する私なりの考えをまとめるにはもう少し時間がかかりそうなので、また今度、別の記事で書きたいと思います。
中野アナと伊是名さんのお二人にスポットを当てたドキュメンタリー番組ができたりするといいですね。
関連記事(1):伊是名夏子さんに対する批判について考えてみた
関連記事(2):AERA(アエラ2019年4月29日号)伊是名夏子さんの記事を読んで