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いつまでもテント?自閉症スペクトラム(発達障がい)の子がプレイする「どうぶつの森」について

   

私のムスメは自閉症スペクトラム障がいと診断されていますが、知的には特に問題もなく(ちょっと学習障害っぽいところもあるけれど)、学校の成績はわりとよい方だったりするのですが、任天堂3DSなどをプレイしている様子や一緒に3DSをプレイするムスメの友達の様子などを見てでふと思ったことがあります。

 

どうしていつまでもテントなのか?

いつまでもテント

ムスメに任天堂3DSを買ってあげたのは3年生のときですが、それまでは、私が脳トレ用に買った( 「脳を鍛える 大人のDSトレーニング」や「えいご漬け」をやってました)古いDSで遊んでおりました。

ムスメが近所の子と交流を持つようになって、「なんで3DSもってないの?」と度々言われるようになって、サンタさんにお願いをして3DSを手に入れたわけです。

ムスメがよく遊ぶ友達は支援級の子が多く、その子たちは「とびだせどうぶつの森」というゲームで遊んでいたので、ムスメもそれを買ってあげたわけですが、どうぶつの森をプレイするようになって、半年ほどして、私は「え?」と思うことに遭遇しました。

それは、ムスメやムスメの友達が「どうぶつの森」のプレイ画面の中で、いつまでもテントだったことです。

 

20年くらい前、姪っ子が「おいでよどうぶつの森」をDSでプレイしており、姪っ子はとてもおしゃべりな子だったので、どうぶつの森を実況中継するように、いろいろ私にその面白さを伝えてくれていました。

なので、どうぶつの森の概要はなんとなく知っていたのですが、たぬきちという商売人に家のローンを払っていくと、だんだん家が大きくなるという流れは「おいでよ」も「とびだせ」も共通しているようなのです。

姪っ子はローンの支払いをどんどんして、家を大きくしていくといういたってノーマルな遊び方をしていたのですが、ムスメやムスメの友達は、家のローンのことは忘れて、服を買ったり、ムシをとったり、その場その場で目についたことをして遊ぶような感じでした。

これは、注意が散漫すぎて、場当たり的な行動をとっているのだと思うのですが、こんなところにも障がい特性が出るのだなぁとしみじみと思ったわけです。

 

自閉症スペクトラム(発達障がい)にもいろいろなタイプ

自閉症スペクトラム障がい

一般的によく言われているのは、発達障がいの子はゲームに熱中しやすいということですが、私のムスメには全く当てはまらず、そんなに長くはやりません。

そんなに長くやらないものにお金をかけるのはもったいないので、お友達とのコミュニケーションに困らない程度にゲームを買い与えているのですが、ずっと熱中してプレイしてしまうタイプの子だったら、それほど気軽に買ってはいなかったかもしれません。

熱中もしないし、ゲームの意図にそって遊ぶこともしない私のムスメ。

家が大きくなる楽しさを知ったらその通りに遊ぶかなと思い、ムスメがプレイしていないときに、私が魚を釣って売ったりして、ローンを返してテントを家の形にしてみました。
「家が大きくなると、家具もたくさん置けてなんかいい!」ということに気づいたムスメは、しばらくはローン返済に向けた行動をしていたのですが、「何かを売って、お金を稼ぐ」という単調な行動にすぐ飽きてしまい、また場当たりな遊び方に戻ってしまいました。

 

発達障がいの子にもいろいろいて、RPGのようなストーリーのあるゲームを意図にそって遊べる子もたくさんいるようですが、私のムスメやムスメの友達は頭の中が散漫すぎて難しいのかもしれません。

私の姪は3年生のときに「おいでよどうぶつの森」で遊んでいて、家を大きくしたし、季節の行事もすべて楽しんだようですが、私のムスメは5年生でもそれができずにいる。

年齢に相応しない発達に、今更ショックを受けることもないですが、遊びや楽しみの幅が狭いのはなんだか可哀想だなぁと思った次第です。

 

ゲームとコミュニケーション

私は元おもちゃ学芸員だったりするので、機械のゲームは嫌いかと思われるかもしれませんが、私が学生の頃の思い出として、友達とゲームの話をするのが楽しかった記憶があるので、そんなに悪い印象を持っていたりはしません。

特に「ファイナルファンタジー」のようなRPGは、ダンジョンのクリアの仕方や宝箱の場所などを友達に聞きながら進めていくのが楽しかったし、低いレベルなのにどんどん先にゲームを進めていく友達に尊敬のまなざしを向けたものでした。

友達と「ああだこうだ」と言いながらやるゲームは楽しいし、それだけでよいコミュニケーションになっていると思います。

「とびだせどうぶつの森」も、家を大きくしたり、それぞれの個性でインテリアを飾り付けできるので、部屋の中を見せ合ったりして、わちゃわちゃと楽しめるものなのだと思います。

せめて、テントは卒業しようね、ムスメのお友達。

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 - 戯言, 自閉症スペクトラム、発達障がい