日本のモンテッソーリ教育、障がい児は締め出し!?
2019/01/31
藤井聡太四段が通った幼稚園がモンテッソーリ園だったことで、これまで以上に関心を集めているモンテッソーリ教育。
モンテッソーリ教育の本当の意義と日本で取り入れられている状況などを紹介したいと思います。
モンテッソーリ教育の起源
Wikipediaにて歴史が紹介されているので、まず、引用します。
子どもから始まる新しい教育 (国際モンテッソーリ協会(AMI)公認シリーズ)
以上の文章から、知的障がい児の知的水準を上げることにも寄与した教育法であったわけですが、私が居住するの地域のモンテッソーリ園では、障がい児の入園を拒否していたという現実があります。
他の地域ではどうなのかをネットで調べてみると、以下のような質問サイトへの投稿を見つけました。
私的にはかなり驚きだったし、内心ショックでした。発達障害(疑い)の息子とモンテッソーリ園について
調べてみると、全てのモンテッソーリ園が障がい児の受け入れを拒んでいるわけではないようでした。
ただ、お受験色の強い園や、読み書き計算といった早期教育を目的としている園などは、モンテッソーリ教育を掲げていても、目標が高いところにあるせいか、障がいのある子は受け入れが難しいとしているようです。
そもそも障がい児にモンテッソーリ教育って合ってるの?
私はモンテッソーリ教育を詳しく学んだわけではないのですが、モンテッソーリ園の見学をしたり、映像でその取り組みを見たことがありますが、健常児と全く同じ方法で取り入れるのであれば、その教育効果は半減するような気がします。
モンテッソーリ教育で使用される教具は細かい段階に応じて揃えられていて、大変素晴らしいです。
少しずつの段階を踏んで、より難しいものへと兆戦できるのは、療育でいうところのスモールステップと同じで障がいのある子にも適用できるものだと思います。
しかし、モンテッソーリ教育は自主性を重んじているようなところがあるので、自分で選んだ教具を心ゆくまで取り組めることが基本となっています。
自閉症スペクトラムの子の中には、「自己刺激行動」または「常同行動」と呼ばれる行動をする子がいて、それはもう、いつまでもいつまでも同じことを繰り返すのです。
そういった常同行動がこだわりにつながっていることもあり、中断されるとパニックに陥ることもあります。
障がいのある子、特に自閉症スペクトラムの子には、大人が適切なタイミングで教具を渡し、上手にできた場合に素早く「褒める」という、ABA(応用行動分析)のような流れが必要なのだと私は思います。
つまり、個別対応が必要なわけで、そうなってくると、入園の際に「加配」の手続きをして、人員を確保していただく必要があります。
私の娘も幼稚園入園の際は、加配の先生を付けていただきました。(モンテッソーリ園ではありませんが)
ちなみにこの加配の手続き、どこの園でもできるのかといえば、そんなこともなく、私の住んでいる市では、8つある幼稚園の内、加配の制度を採用しているのは3園だけです。
モンテッソーリ園で加配の制度を採用していれば、加配の先生についてもらって、いろいろな教具を習得していくことは可能かと思いますが、そのあたり、全国のモンテッソーリ園ではどんな状況なのでしょうね。
(私の住んでいる地域のモンテッソーリ園では、加配の採用はありません。)
家でもできるよ、モンテッソーリ
モンテッソーリの教具を見ると、療育で使う玩具との共通性を見いだせるのですが、地域の療育センターでやっていることも、モンテッソーリ教育とそれほど変わりないと思うのです。
私の娘の通った療育園は、感覚統合のカリキュラムが多かった気がしますが、モッテッソーリ教育でも、「見る、聞く、触れる、嗅ぐ、味わう」といった五感の発達を促すことを大切にしているようなので、通じるところがありますね。
学齢までに療育をしっかりやっておきたいという家庭なら、家でもいろいろ取り組んでおられると思いますが、そんなご家庭は、「これ、モンテッソーリと同じかも」と思う取り組みがたくさん発見できるのではないでしょうか。
どうか、モンテッソーリ園に受け入れてもらえなかったからといって、落胆せずにね。
藤井聡太くんは藤井聡太くんであり、同じ方向を誰しもが目指さなくてもよいのです。